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リストラは拒否できる? リストラにあったときの正しい対処法

2021年08月16日
  • 不当解雇・退職勧奨
  • リストラ
  • 拒否
リストラは拒否できる? リストラにあったときの正しい対処法

新型コロナウイルスの影響もあり、神戸市では倒産する会社が後を絶ちません。帝国データバンクが令和3年3月に公表したデータによると、令和2年に兵庫県内で休業や廃業、解散を行った1660件の企業(個人事業主を含む)のうち63%は、令和1年の業績が黒字だったそうです。

経営が悪化すると、当然ながら労働者にも大きな影響を与えます。ある日突然リストラを勧告されれば、生活費、ローンの返済、子どもの教育費など、リストラ後の経済問題が頭をよぎり、不安になるでしょう。突然の退職が、自分の家族の人生に与える影響は大きく、会社が存続するのであれば、リストラを拒否したいと考えるかもしれません。

では、リストラを受けたら、必ず退職をしなければいけないのでしょうか。
本コラムでは、適法なリストラと違法なリストラについてと、リストラ勧告を受けたときの対処方法について、神戸オフィスの弁護士が詳しく解説します。

1、そもそもリストラとは?

  1. (1)リストラの種類

    リストラとは、リストラクチャリングという言葉の略で、収益構造の改善を図るために、組織を再構築することが目的です。会社として今後成長を見込んでいる分野への投資や、人材育成の強化、人事異動など、会社を成長させていくためのさまざまな活動を含んだ言葉であり、人員削減はリストラクチャリングの過程のひとつに過ぎません。

    しかし、昨今は会社の営業不振時の人員削減だけに注目が集まり、リストラといえば、とにかく従業員を減らすための手段というイメージが定着しています。
    リストラの方法としては、整理解雇、退職勧奨、早期退職者募集、雇い止めなどがあり、いずれも従業員の離職による人件費の削減を会社が目指す行為である点で共通しています。そして、解雇や雇止めは、従業員の意思にかかわらず、会社から従業員を辞めさせる点に特徴があります。

    どの制度がとられたとしても、最終的には労働契約の終了という法的な手続きをとることになるため、会社は各種法令による定めを守らなければなりません。これらの定めを守っていなければ、違法なリストラとなります。

  2. (2)リストラ時のよくある流れ

    会社が人員削減を決めたとき、いきなり従業員を指名して解雇を言い渡すというケースもあります。しかし、このようなやり方は従業員の納得感を得ることが困難で、結果としてトラブルになることがあります。
    そこで、解雇手続きに入る前に、希望退職の募集や早期退職者制度が導入されるケースが増えています。これらの手続きは、従業員本人の意思で退職を決める点と、通常の退職に比べて優遇が受けられるというメリットがあります。

    ただし、希望退職制度などに実際に何人が応募するかは、実施してみないとわかりません。応募する対象希望者の人数が少なく、会社が予定していた規模の人員削減ができない場合もあります。その場合は、退職勧奨や整理解雇へと進むケースもあります。

2、違法なリストラの条件

リストラとは、会社と従業員との労働契約を解消するという重大な手続きの一環です。労働契約は、従業員の生活を守る大切なもののため、簡単に解消できるものではありません。したがって、リストラを行うためには、どのような方法であっても労働契約法や民法などの定めに沿った適正なものでなければなりません。これらの法の定めに反した手続きは、違法なリストラにあたります。

  1. (1)希望退職・退職推奨の場合の違法性

    希望退職者や退職推奨は、会社に残るのか、辞めるのかという判断の決定権を、従業員本人が持っています。本人が辞めたくないのに、希望退職者制度があるから退職してはどうかと、しつこく離職をすすめるといった言動があれば、違法な退職強要にあたる可能性があります

    次のような行為を会社からなされた場合は、早急に弁護士などに相談して今後の対策を検討する必要があるでしょう。

    • 個別に呼び出して、数時間にわたり退職をすすめる
    • 本人が退職を明確に拒否した後も繰り返し退職を提案し続ける
    • 退職に応じなければ不利益がおこる、などの脅迫を行う
    • 実際とは異なる優遇退職条件をちらつかせ、退職合意をとった後に優遇措置を減じる など
  2. (2)整理解雇の違法性

    整理解雇とは、会社の経営政策上行われる、会社都合による解雇のことです。
    通常は、希望退職者制度や退職勧奨を経たうえで整理解雇に至ることが多いものですが、経営状態によっては、いきなり整理解雇が行われることもあります。従業員からすれば、突然に解雇を言い渡されるわけですから、大きな衝撃を受けることになります。

    整理解雇は、会社の一方的な判断で従業員との労働契約を解消させるものです。労働契約法第16条では、解雇が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効である」と定めています。

    「権利濫用」にあたるかどうか、つまり整理解雇が違法であり、不当解雇といえるかどうかは、次の4つの基準で判断します。いわゆる「整理解雇の4要件」と呼ばれるものです。

    ① 人員削減の必要性
    会社が経営不振で、人員削減の必要が現実的に存在することが必要です。業績が上昇または安定しており、経費削減の必要が認められなければ、この条件を満たしませんので整理解雇は無効となる可能性があります

    ② 解雇回避努力を尽くしたこと
    仮に会社の経営状況が不振だとしても、解雇以外の経費削減方法を十分にトライしたかどうか、という観点です。たとえば、役員報酬のカット、人件費以外の経費の縮小化、解雇前の希望退職者募集など、回避努力をしていないと判断されれば整理解雇は無効となる可能性があります。

    ③ 対象者の選定方法に合理性があるか
    雇用契約の内容や就業成績、勤怠状況など、客観的な指標から対象者を選んだかどうかが争点となります。

    ④ 手続きの相当性
    会社は労働組合や労働者に対して、十分な説明と誠実な協議を行わなければならないとされています。十分に説明を尽くしたといえなければ、整理解雇が無効と判断される可能性があります。

3、リストラ対象となった場合にするべきこと

自分がリストラの対象となった場合は、大きく動揺するものですが、あわてていても事態は好転しません。リストラ対象となった場合にすべきことを挙げておきます。

  1. (1)リストラの種類を確認する

    前述したように、リストラと一口でいっても、希望退職制度、退職勧奨、整理解雇など複数の種類があります。リストラの種類によって、自分が拒否できるのか、退職するしかないのか、そもそもリストラ自体が適法なのか違法なのか、といった判断が異なってきます。
    自分に適用されているリストラの手続きはどれなのか、落ち着いて確認するようにしましょう。

  2. (2)リストラの種類に応じた適法性を確認する

    リストラの種類がわかったら、実際に行われている手続きが違法ではないかを確認します。違法な点が疑われる場合は、すぐにリストラに応じるべきではありません。ただし、違法であるかどうかの判断は法的かつ専門的な視点が必要となるので、まずは弁護士などに相談することを検討してください

  3. (3)退職の条件や生活保障について調べる

    リストラの適法性や、実際に退職するかどうかという判断とは別に、退職することになった場合の生活については、早急に調べておいた方が良いでしょう。特に、希望退職者募集に応じる場合は、優遇措置をしっかりと確認しておきます。また、退職条件は労働者全員が一律同じである必要はありません。一人ひとりの会社に対する貢献度も違いますので、会社と交渉することで、退職優遇条件をアップしてもらえることもあります。

    そのほか、失業手当が受けられるのか、受けられるとして、いくらをいつまで受け取れるのか、転職の見込みはあるか、といった点も重要なポイントです。
    仮に、リストラについて違法な点があり、弁護士に相談し、手続きを進めていく場合でも、退職後の生活に関する事柄は、自分で調べて行う必要があります。今後の不安定な社会で自分の生活を守っていくためにも、一度は情報収集しておくとよいでしょう。

4、リストラを拒否する方法

  1. (1)希望退職・退職勧奨の場合

    リストラのうち、希望退職や退職勧奨は、あくまで従業員が自分の意思で退職を決定する手続きです。したがって、会社からの働きかけがあっても、これらの手続きについては、従業員が自由に拒否することができます。自ら退職届を出さなければ、退職にはなりません

    リストラを受け入れない場合は、自分が退職する意思がないことを明確に会社に伝えることが重要です。退職しない意思を明示した後も、しつこく退職をすすめられた場合は、違法または不当な退職強要に該当する場合があります。

  2. (2)整理解雇の場合

    整理解雇は、会社の一方的な意思で従業員の解雇する行為です。従業員の意思にかかわらず、その地位を奪われることになります。適法な整理解雇がなされた場合、従業員側が拒否することはできません。解雇を言い渡された従業員は、失職することになります。

    ただし、適法に整理解雇が行われていなければ、解雇自体が無効と判断される可能性があります。そのため、まずは解雇理由通知書に加えて、解雇に至った理由の説明などを会社に求めるようにしましょう

5、弁護士がサポートできること

リストラは、労働契約の解消という大きな法的手続きであり、関係する法律すべてについて適合しているかどうかを判断しなければなりません。会社との交渉が必要になる場合もありますので、労働事件に経験を積んだ弁護士に相談することでしっかりとしたサポートを受けながら対応することをおすすめします

弁護士に依頼することで、具体的に次のようなサポートを受けることが可能です。

  • リストラを拒否できるかどうかの判断
  • リストラが違法かどうかの判断
  • リストラが違法であった場合の対処方法のアドバイス
  • 代理人として会社との交渉窓口になること
  • 解雇無効や慰謝料を請求する場合の代理人としての活動 など

6、まとめ

昨今の社会情勢などを鑑みると、誰しもがリストラの対象となり得る可能性があります。しかし、労働者としては突然のことに驚くのはもちろんのこと、リストラによる生活の不安は大きく、何から始めていいかわからないことも多いでしょう。そのようなときは、早めに弁護士に相談し、客観的な視点からアドバイスを受けることをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所 神戸オフィスでは、リストラなどの労働問題の対応実績が豊富な弁護士が親身にお話を伺います。置かれている状況をしっかりと確認したうえで、最善の対策をアドバイスいたしますので、ぜひお早めにご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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