過払い金請求の注意点と弁護士に相談する4つのメリットについて神戸の弁護士が解説
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過払い金に関するCMを一度は見たことありませんか?
借金の経験がある方の中には「自分にも過払い金があるのかな」という方もいるでしょう。
ですが本当に過払い金があるのか調べる方法や、請求の仕方はあまり知られていません。
また過払い金請求を扱う専門家には弁護士と司法書士がいますが、その違いもわかりにくく、相談先にも迷うでしょう。
そこで今回は過払い金請求の基本と注意点、相談先に弁護士がおすすめの理由について、弁護士が解説します。
1、過払い金とは? 返還請求で注意することとは?
過払い金請求という言葉はよく知られていますが、その内容や仕組みについては知らない方も多いのではないでしょうか。
過払い金請求にはメリットは大きいですが、デメリットもあります。
まずは請求する前に知っておきたいことについて、詳しくご説明します。
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(1)過払い金とは?
過払い金とは「借金の返済の際に払い過ぎた利息のこと」です。
そもそも払う必要のなかったお金のため、返還を求めることができます。
過払い金が発生する仕組みを簡単に説明しておきます。
借金の利息は「利息制限法」と「出資法」という二つの法律で決められていますが、以前はそれぞれ上限金利が違いました。そこで多くの貸金業者は法律の穴をつき、二つの法律の間、いわゆる「グレーゾーン」に上限金利を設定していたのです。
今は法律が改正され、グレーゾーン金利は無くなりました。
ですが改正前この金利で借金をしていた場合、払い過ぎていた分のお金の返還請求ができるようになったのです。 -
(2)過払い金請求のメリット
過払い金はもともと払う必要のなかった、ご自分のお金です。
過払い金請求は正当な手段であり「返してください」と言うことに、後ろめたい思いをする必要はありません。
長期間借金を返済していた方の中には、多額の過払い金があることもあります。
過払い金が戻ってくれば、残りの借金の返済にあてることができます。それにより一気に完済できてしまうことも珍しくありません。
またすでに完済している場合には、過払い金は生活の足しにすることもできます。
「苦しかった借金生活から解放された」となれば、人生も大きく変わってくるでしょう。 -
(3)過払い金請求では「信用情報」に注意
過払い金請求をする際には、事前に注意しておくべきことがあります。
それは現在返済中で、過払い金でも借金が完済できなかった方は「債務整理(任意整理)」という扱いになってしまうということです。
債務整理の情報は信用情報に記載されます。いわゆる「ブラックリスト」です。
クレジットカードを作ったりローンを組んだりする場合、カード会社や銀行は申込者の信用情報を確認します。
そこに「債務整理」などの良くない情報があれば、カードの作成やローンを断ってくるでしょう。
すると生活に制限がでてきてしまい、困ることもあるかもしれません。
また完済になると思ってクレジットカード会社に請求したとしても、実はショッピング枠で未払いがあり、仮に過払い金が発生していても、未払い額によっては完済できないということもあります。
信用情報に傷をつけないためには、細かい点にまで注意が必要となります。
また過払い金請求をした業者からは、今後借りることは難しくなります。業者にも記録が残るため、過払い金請求をしてきた相手には普通はもう貸してくれないでしょう。 -
(4)過払い金請求には時効がある
もう一点気をつけておくべきことがあります。それは時効です。
過払い金請求には「最後の支払いから10年」という時効があります。
完済している場合は完済日から10年です。時効が過ぎてしまえば、原則、請求はできなくなります。
そのため「もしかして過払い金があるかも」と思ったら、すぐに調べることが大事です。放っておくと時効を迎えてしまいます。
ただし人によっては10年が経っていても請求できることがありますので、諦めずにまずは専門家に相談しましょう。
2、過払い金請求を弁護士に依頼する4つのメリット
過払い金請求は、法律関連の資格がなくてもできます。「費用も節約できるので自分でやる」という方もいるかもしれませんが、そう簡単ではありません。
ここでは弁護士に依頼するメリットについて、ご説明しておきます。
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(1)時間と手間が省け、計算も正確
過払い金請求には様々な書類や手続きが必要になります。
法律に詳しくない方が一から必要な書類を調べて作成するのは、非常に手間と時間がかかります。
裁判となった場合には訴状を作ったり、証拠を集めたり、裁判に出廷したりしなければいけません。
過払い金請求の経験豊富な専門家に依頼すれば、スムーズに書類作成や手続きを進めてくれます。自分でやるよりも間違いがなく、早期に解決ができるでしょう。
実際ほとんどの手続きを代行してくれるため、ただ待っていればいいということも多いのです。
また過払い金請求をする場合には、事前に過払い金がいくらあるのか、完済できるのかといったこともきちんと確認しなければいけません。
概算して請求をしてしまうと、実は過払い金で完済できず、予想外に「債務整理」扱いになってしまうこともあります。
弁護士に協力してもらえばこれまでの借金を洗い出し、正確な過払い金を計算してもらえます。 -
(2)貸金業者とのやりとりを任せられる
過払い金請求のためには、いくら借りて、いついくら返済したのかという詳細を把握することが必要です。
ですが「支払った記録を残してない」「書類は捨ててしまった」という方も多いでしょう。
その場合には貸金業者などの借入先に依頼して「取引履歴」を入手する必要があります。 それを確認しながら過払い金の有無を調べていきます。
また返還請求をする際は裁判の前に、まず貸金業者などと交渉して返還を求めることになります。
ですが相手もできればお金を払いたくないもの。過払い金全額ではなく、一部ですませようと和解を持ちかけてくることもあります。
一人で貸金業者などと交渉するのは、勇気がいります。
相手も代理人がいないとわかれば足元を見てきて、不利な条件を提示してくるかもしれません。相手がヤミ金業者の場合は、そもそも単独での交渉は危険です。
弁護士に任せれば自分で交渉する必要がなく、毅然と対応してくれます。
裁判となった場合にも、そのまま対応を任せることができます。 -
(3)督促・取り立てを止められる
借金返済中の場合、過払い金請求を行っている最中でも返済は必要となるため、督促は止まりません。
弁護士に依頼すると、まずは相手方に「受任通知」を送り、弁護士が代理人となったことを伝えます。
するとその後は代理人が連絡窓口となり、ご自分に直接連絡がくることはなくなります。 つまり督促や取り立てを止めさせることができるのです。 -
(4)家族や職場に内緒にしておくことができる
ご自分で返還請求をしていると、業者や裁判所との連絡先もご自分になります。
そのため自宅に書類が届いたり、電話がかかってきたりすることがあります。
家族に借金を内緒にしている場合、やがて知られてしまうでしょう。
これも弁護士に任せれば代わりに窓口となってくれるため、自宅に連絡がいくことは原則としてありません。
家族に知られずに手続きを進めることができる可能性が高いです。
3、弁護士と司法書士の違いは? 選び方は?
過払い金請求を扱っている専門家には「弁護士」と「司法書士」がいます。
両者にはどのような違いがあるのでしょうか?また相談先を選ぶ際には何に気をつければいいのでしょうか?
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(1)司法書士は扱う金額に限度がある
法律に関わる事務や訴訟は、本来弁護士のみが行うことができます。
司法書士も一部を行うことができますが、訴訟額が140万円以下に限るという規定があります(司法書士法3条)。
そのため過払い金の請求額が140万円を超える場合には、司法書士では扱えないため、弁護士に依頼することになります。
過払い金の額がわからず司法書士に相談し、調べた結果140万円を超えていた場合、返還請求のためには弁護士に再度依頼しなければなりません。
また司法書士は地方裁判所における訴訟の代理人となることはできませんが、弁護士は地方裁判所でも簡易裁判所でも、代理人となることができます。 -
(2)弁護士選びの注意点
過払い金請求は多くの法律事務所が扱っています。そのためどこの事務所に頼めばいいのか、迷ってしまうでしょう。
法律事務所は多数ありますが、その対応は千差万別です。
また費用も事務所によって大きく異なります。
せっかく過払い金が取り戻せても、説明を受けていない高額な費用を請求されては台無しです。
正式に依頼する前に、きちんと費用の目安や内訳をきちんと説明してくれるところを選びましょう。不安な場合には、複数の事務所で見積もりをもらうという方法もあります。
また弁護士にも得意・不得意があるため、過払い金請求の経験が豊富な弁護士に依頼するのがベストです。
より多くの金額を取り戻せたり、解決までの時間が短縮できたりする可能性があります。 -
(3)弁護士費用はいくら? 目安は?
過払い金請求を弁護士に依頼する場合、主に次のような費用がかかります。
- 相談料
- 着手金
- 基本報酬
- 成功報酬
- 手数料
これらのうち、成功報酬は過払い金の額によって違ってきます。一般的には取り戻すことができた過払い金額の20〜25%程度です。
日弁連が訴訟以外(業者との和解)で回収できた場合は20%以下、訴訟で回収した場合は25%以下という基準を作っており、ほとんどの事務所はこれに基づいています。
相談料や着手金、基本報酬は事務所で一定の金額を定めているところが多い傾向にあります。
成功報酬と違って事務所ごとに設定できるため、相談料や着手金を無料にしているところもあれば、手数料などを細かく徴収するところもあります。
4、まとめ
過払い金請求は事前の準備が大切です。
まずは過払い金があるのかどうか、あるならいくらか、完済はできるのかなど、しっかりと調べる必要があります。
そのうえで業者との交渉や裁判を進めていきましょう。
個人で手続きを行うとかなり手間と時間がかかり、精神的にも大きな負担となります。
まずは無料で過払い金の相談ができる法律事務所に相談してみましょう。
ベリーベスト法律事務所でのご相談は完全無料となっております。まずはお気軽にご相談ください。
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