キャッシングは借金! 専業主婦が借金問題を解決する方法
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神戸市がホームページ上で公表している情報によると、令和3年7月時点で神戸市が抱える借金額は2兆円にものぼるそうです。
借金は、自治体の問題だけではありません。個人の方でも、投資ブームに乗って投資をやってみたものの失敗してしまった、生活費の補てんにキャッシングを利用したなど、ささいなことをきっかけに借金地獄に陥ってしまうケースは少なくないでしょう。
定期的な収入が見込める場合は返済計画も立てられますが、給与などの収入がない専業主婦(主夫)の場合は返済計画を立てることが難しい傾向にあります。家族に知られたくないという思いからさらなる借り入れをし、結果的に返済が難しいほどの借金を抱えてしまうこともあるようです。
本記事では、借金を返せなくなった場合に考えられるリスクや、専業主婦が借金問題を根本的に解決する方法について、神戸オフィスの弁護士が詳しく解説します。
1、専業主婦でもキャッシングはできる?
専業主婦の方は、給与などの定期的な収入がありません。収入がまったくない場合でも、キャッシングを利用することはできるのでしょうか。
この点、平成22年(2010年)に施行された「改正貸金業法」により、消費者金融など貸金業者からは、自分自身の収入がない人は借り入れ自体ができなくなっています。これを総量規制といいます。
ただし、規制の対象に銀行系カードローンは含まれていません。したがって、総量規制が導入された後も、銀行のカードローンによるキャッシングは収入の有無にかかわらず、自由に行うことができました。しかし、その結果、銀行カードローンの残高が増加したため、全国銀行協会が主体となり自主規制がとられるようになっています。
現在は、収入のない専業主婦が借り入れをすること自体が難しくなっているといえるでしょう。
ただし、専業主婦が利用できる銀行カードローンは存在しています。また、厳密に言えば専業主婦の場合ではありませんが、パートによる定期的な収入があれば、消費者金融からの借り入れもできてしまうので、主婦が借金問題を抱えてしまうケースがなくなっているわけではありません。
2、キャッシングの仕組みとは
キャッシングとは、ATMなどの自動端末機を利用して、お金を借りることのできる金融サービスです。キャッシングを実際に利用する際は、金融機関の専用カードやクレジットカードを使って端末機から現金で指定の金額を引き出します。
つまり、銀行やコンビニエンスストアのATMで、自分の名義の銀行預金口座から現金を引き出すのと同様の操作で、現金を手にすることができてしまいます。
しかし、キャッシングは借金です。当然ながら期限までに借りた全額を返済しなければなりません。人に知られずに手軽に利用できますが、気軽に借り入れをしてしまうのは危険です。いくらをいつまでに返せるのか、しっかりと返済計画を立てたうえで利用する必要があります。
3、借金の返済ができない場合どうなる?
専業主婦が借金をして、返済ができなくなってしまった場合、どうなるのでしょうか。
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(1)金利や遅延損害金で借金が膨らむ
借金を返せないまま放置していると、金利が増えていきます。もともと借り入れた金額(元本)が多ければ多いほど、金利も増えていくので、気が付いたときには思いもよらないほどの多額の借金を抱えてしまうというケースがあります。
また、支払期限を過ぎると、遅延損害金も発生するので、返済が遅れれば遅れるほど借金は増えていくことになります。 -
(2)信用情報機関に情報が記録される
借金の返済が滞ると、信用情報機関に支払い遅延の情報が記録されてしまいます。いわゆるブラックリストです。信用情報は、ローンなどの借り入れの審査やクレジットカードの申し込み審査などでチェックされます。ブラックリストに載っていると、当然ながら、新たな借り入れは難しくなります。
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(3)家族に知られるリスクが高まる
借金の期限を過ぎると、督促状が自宅に送られてきます。家族に隠して借金をしていた場合、金融機関から督促状が届くようになれば、家族に借金の事実が知られてしまう可能性があります。
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(4)訴訟になる可能性がある
度重なる督促を無視し、返済しない状況を続けていると、訴訟を提起される可能性があります。借りた事実がある以上、ほとんどの場合反論の余地はなく、敗訴判決が予想されます。敗訴すれば、元本はもちろんのこと、利息や遅延損害金もそろえて、全額をすぐに払わなければなりません。
また、訴訟で敗訴する最大のリスクは、強制執行手続きによって財産を差し押さえられる可能性がある点です。差し押さえの対象となる財産は、銀行の預貯金や価値のある動産など、あらゆるものに及びます。差し押さえを止めるためには、原則として借りたお金を返すしかありません。
4、借金問題を解決できる債務整理
借金は放置しておくべきではないとわかっていても、返済するのが難しい状況に陥っていれば、どうすることもできないと感じるかもしれません。
そのようなときには、債務整理を検討することをおすすめします。債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産という3つの方法があります。
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(1)任意整理
任意整理とは、貸金業者などの債権者と債務者が直接交渉し、支払いすぎた利息(過払金)がある場合には過払金の返還を求めることで得られる過払金を返済に充てたり、将来払う利息などをカットしたりすることで、返済の総額を減らす手続きのことです。
裁判所を介す必要がなく、比較的柔軟な形で借金問題を解決できるうえに、誰にも知られることなく手続きを進められるというメリットがあります。 -
(2)個人再生
個人再生とは、借金の返済が困難であることを裁判所に認めてもらうことで、借金を減額する手続きのことです。借金総額にもよりますが、借金は5分の1程度に減額されることが多く、最大で10分の1まで減額され、残った借金を原則として3年以内に返済することになります。
個人再生は、任意整理では借金が整理できないほど多額の負債があるものの、定期的な収入があって、裁判所が認めた返済計画案を実行できる方が利用できる手続きです。そのため、基本的に専業主婦の場合は選択することが難しいでしょう。 -
(3)自己破産
自己破産とは、裁判所に申し立てを行い、預貯金などの財産を整理して返済にあてる手続きのことです。最大のメリットは、借金の返済義務を、すべて免除してもらうことができる点です。収入の有無は手続きには関係しないので、条件を満たしている場合は、専業主婦でも手続きすることは可能です。
5、弁護士に借金問題を相談するメリット
借金問題は、弁護士に相談することで、解決の糸口がみつかる可能性が高まります。
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(1)自分に合った解決法がわかる
借金問題は、収入や借金の総額など個人によって事情はまったく異なります。そのため、状況を精査したうえで、最善の解決策を探る必要があります。
債務整理といえば自己破産というイメージが強いですが、実際には自己破産以外に適切な方法があることも少なくありません。借金問題は個人で判断することなく、借金問題に詳しい弁護士に相談してみることをおすすめします。ご自身の状況に適した、より効果的な解決方法について、アドバイスを受けることができるでしょう。 -
(2)取り立てが止まる
弁護士は、債務整理の依頼を受けると、債権者(貸し手)に対して受任通知を送付します。債権者は、受任通知を受け取った時点から、債務者に直接連絡することはできなくなるため、取り立てもストップします。取り立てから解放されることで、日常生活を取り戻し、落ち着いて今後の計画を立てることができるでしょう。
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(3)対応を一任できる
債務整理は、ご自身で手続きを行うことも可能です。ただし、債権者との交渉や、さまざまな手続きを行う必要があるので、負担は非常に大きいでしょう。
弁護士に依頼すると、債権者や裁判所とのやりとりはもちろんのこと、必要な書類の準備など、債務整理にかかる一切を任せることができるので、精神的な負担を大幅に軽減することができます。
6、まとめ
借金問題は、放置しているだけでは解決は望めませんが、債務整理をすることによって解決できる可能性があります。借金問題の対応経験が豊富な弁護士のサポートを受けることで、苦しい借金問題の対処方法が見えてくるでしょう。
借金問題でお悩みを抱えている主婦の方は、ベリーベスト法律事務所 神戸オフィスにご相談ください。神戸オフィスの弁護士が、しっかりとお話をうかがったうえで、最善の解決方法をアドバイスします。債務整理に関するご相談は、何度でも無料です。お気軽にお問い合わせください。
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