【後編】海で魚を獲ったら逮捕!? 海のレジャーで気をつけたい漁業調整規則違反とは
- 財産事件
- 漁業調整規則違反
前編では、漁業調整規則違反や密漁に関する法律や罰則について解説いたしました。
後編では、漁業調整規則違反で逮捕されたあとの流れや、家族が逮捕された場合にするべきことについて神戸オフィスの弁護士が解説いたします。
3、漁業調整規則違反で逮捕された場合の流れ
「規則」という名称がついているため、漁業調整規則には「逮捕」というイメージがないかもしれませんが、逮捕されるケースは少なくありません。では逮捕されてしまった場合、どのように手続きが進むのでしょうか?
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(1)漁業調整規則に違反するとどうなる?
禁止されているサイズの魚や貝をとるなど、漁業調整規則に違反した場合には、都道府県警やその地域を管轄する海上保安本部に逮捕される可能性があります。
逮捕には主に二つのケースがあり、魚や貝を採っているところを海保などが現認した場合には、その場で逮捕される「現行犯逮捕」、後日警察などが家に来る場合には「通常逮捕」となります。
ただし違反の程度が軽いなどの事情がある場合には、逮捕ではなく書類送検で済む可能性もあります。 -
(2)漁業調整規則違反で逮捕された後の流れ
警察や海上保安本部に逮捕されると、一般的には次のように手続きが進みます。
- 逮捕
- 48時間以内に検察へ送検
- 24時間以内に検察が裁判所に勾留を請求するか決定
- 勾留が認められれば10日間の身柄拘束
- 勾留延長が認められれば、さらに10日間の勾留
- 検察が起訴・不起訴処分を決定
- 起訴された場合には裁判
- 略式命令または裁判の判決
略式起訴の場合には裁判は公開されず、基本的にはその日のうちに罰金または科料の略式命令が言い渡されます。
罰金・科料を収めれば刑が終わり、自由になります。
通常の起訴(公判請求)の場合には数ヶ月後に公開で裁判が開かれ、判決が言い渡されます。
いずれの場合も、略式命令または有罪判決を受けた場合には「前科」がつきます。
4、家族が逮捕された場合にすべきこと
「海保に逮捕された」と、海に遊びに行った家族の友人から連絡があったら……。こういった場合、逮捕された家族のために何をしたらいいのでしょうか?
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(1)漁業調整規則違反で家族が逮捕されたら
家族が逮捕されたという一報を聞くと気が動転してしまうかもしれませんが、まずは落ち着いて、警察などに事実関係を確認しましょう。
本当に逮捕されたということがわかったら、すぐに弁護士に相談してください。
逮捕後いかに早く適切に対処できるかによって、その後の結果が大きく変わってくる可能性があります。 -
(2)逮捕後の手続きにおける重要ポイント
逮捕後の手続きにおいては、いくつか大事なポイントがあります。
まず一つ目は、勾留請求です。
検察が勾留請求をし、裁判所が逃亡や証拠隠滅の恐れがあると判断し勾留を認めれば、警察署の留置場などに入り、自由に外出したり人と会ったりすることができなくなります。
ただし勾留請求がされなければ、ご家族は釈放されます。もちろん無罪になったという意味ではないため、在宅での捜査が続きます。
二つ目は、検察による起訴・不起訴の判断です。
起訴されれば必ず裁判になります。裁判となると略式命令または有罪判決を受ける可能性があり、略式命令または有罪判決を受けると、いわゆる「前科」がつきます。
もし執行猶予がつかない懲役刑・禁固刑となれば、刑務所に入らなければなりません。
ただし不起訴となれば裁判は開かれません。もちろん前科もつきません。
この二つのポイントにおいて、検察にどのように判断をしてもらうかがご本人とご家族の今後を左右します。 -
(3)弁護士に相談するメリット
勾留を避け身柄を解放してもらう、または不起訴となるためには弁護士による初期対応が重要です。
たとえば被害者との示談です。
漁業調整規則違反の場合、漁業法違反(漁業権の侵害)もついていることが少なくありません。
漁業権の侵害は親告罪です。弁護士とともに被害者である漁業協同組合などと交渉し示談ができれば、告訴を取り下げてもらえる可能性があります。
また示談以外にも前科がない、年齢が低い、採捕した量が少ないなどの有利な事情があった場合には、不起訴処分につなげることができるかもしれません。
勾留が決まる前に、また起訴されてしまう前に、弁護士にできる限りの対応をしてもらいましょう。
5、まとめ
漁業調整規則についてはご存知ない方も多いと思いますが「知らなかった」では通りません。海でのレジャーの際は、その場所にどのようなルールがあるのかを知っておくことが大事なのです。
もしよく知らずに逮捕されてしまった場合には、すぐにベリーベスト法律事務所神戸オフィスにご相談ください。弁護士が、ご本人やご家族をしっかりとお支えし、迅速に対応いたします。>前編はこちら
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています