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パチンコ店で置き引きをして家族が逮捕! どのような罪に問われる?

2020年08月03日
  • 財産事件
  • 置き引き
  • パチンコ
パチンコ店で置き引きをして家族が逮捕! どのような罪に問われる?

令和元年10月、神戸市内で置き引き犯の逮捕に貢献した高校生に感謝状が贈られたというニュースが報道されました。現金の入ったカバンを持ち去った男性を100メートル追跡し、取り押さえたそうです。

置き引きは日常で起こり得る犯罪ですが、パチンコ店など、人が多く被害者が何かに夢中になっているような場所で、特に発生しやすいでしょう。つまり、加害者にとっては、パチンコ店のような場所は、置き引きをしやすい場所と言えます。

パチンコ店に遊びに行っていると思っていた家族が、置き引きで逮捕されてしまったら、冷静ではいられないでしょう。置き引きで逮捕された場合、どのような罪に問われるのでしょうか。また、残された家族は、どのような対応をするべきなのでしょうか。

今回は、置き引きで逮捕されたときにとるべき対応と逮捕後の流れについて、神戸オフィスの弁護士が解説します。

1、置き引きで問われる罪とは

置き引きとは、法律用語ではありませんが、他人の持ち物を本人が目を離した隙に持ち去る犯罪として認識されています。
たとえば、パチンコ店内で、パチンコ台の上に置いてあった他人の財布を、その人が席を立った隙にこっそり持ち帰ってしまうなどの行為がこれにあたります。
法律上の罪名としては「窃盗罪」または「占有離脱物横領罪」に該当する可能性があるでしょう。

  1. (1)窃盗罪

    窃盗罪とは、他人のものを盗んだときに問われる罪で、法定刑は「10年以下の懲役、または50万円以下の罰金」と定められています(刑法 第235条)。

    また、窃盗は未遂であっても罰せられます(刑法 第243条)。
    たとえば、財布を盗もうとして自分のポケットに入れようとしたところで持ち主が戻ってきて取り押さえられた、というケースでは窃盗未遂罪に問われることになるでしょう。

    未遂は任意的減軽(中止犯の場合は必要的減免)、つまり、裁判所が刑を減軽するかどうかを任意に決めることになりますので、場合によっては既遂と同じような処罰を科せられる可能性もあります。

    では、窃盗罪の構成要件を確認していきましょう。

    ●他人の管理・支配下にある財物かどうか
    所有者本人の支配力が届くところにあった場合はもちろんですが、他者や適切な場所に預けていた場合も管理下にあるとみなされるケースがあります。
    したがって、短時間その場を離れて手元から離れていたもの、ロッカーや傘立てに置いていたものなどを持ち去る場合も、窃盗罪に該当する可能性があります。

    ●不法領得の意思があったか
    他人のものを、自分のものとして使用したり処分したりする意思があったかどうかが問われます。ものを破壊したり隠したりといった行為の場合は、窃盗罪にはあたりません。

    ●窃取の事実があったか
    財物を他人の管理・支配下から離脱させたかどうか、つまり、置き引きをして自分が持ち去ったりしているかどうかということが必要になります。
    たとえば、盗んだものを持ち去る、お金を抜き財布を捨てる、盗んだものを売りに出すなどした場合は、窃取の事実があったとされるでしょう。

  2. (2)占有離脱物横領罪

    置き引きでは、占有離脱物横領罪に問われる可能性もあります。横領罪の一種で、漂流物、逸失物(落とし物)など、所有者の管理下にないとみなされるものを自分のものにしてしまうと該当する罪です(刑法 第254条)。

    窃盗罪との区別がつきにくいですが、判断するポイントとして占有の有無があったかが重要になります。
    たとえば、道に落ちていたもの、電車の網棚に置き忘れたもの、パチンコ台に置き忘れたカバンなどを勝手に自分のものとしたときには、占有離脱物横領罪に問われる可能性があります。

    法定刑は「1年以下の懲役」または「10万円以下の罰金」または「科料」です。
    科料とは、1万円未満の金銭を強制徴収する罰則です。
    窃盗罪と比べると量刑が軽く感じるかもしれませんが、前科が付くことに変わりはないため、軽んじるべきではないでしょう。

2、置き引きで逮捕される可能性は?

目撃者や被害者によってその場で取り押さえられて逮捕されるケースのほか、後日逮捕される可能性もあります。

最近は、商業施設の多くに防犯カメラが設置されています。
たとえその場は首尾よく逃げられたとしても、置き引き被害が出たと分かれば、防犯カメラの映像がチェックされることになるでしょう。
防犯カメラの映像を元に捜査が進められ、後日に逮捕されることも十分にあり得ます。

3、逮捕後の流れ

家族が置き引きをして逮捕されてしまった場合、どうなるのでしょうか。
逮捕後の流れを確認します。

  1. (1)警察での取り調べ

    逮捕後は、まず警察による取り調べが行われ、調書が作成されます。
    警察での取り調べは、逮捕から48時間以内と定められています。逮捕後は、勾留されるまで、家族であっても原則的に面会することはできません。
    ただし、弁護士に限り、いつでも接見することができます。

    取り調べの結果、「微罪処分」になった場合は、捜査を終了し、身柄を解放されるケースもあります。
    起訴不起訴を決定するのが検察官であることから、警察が逮捕するなどした場合、原則、検察官へ事件を送致しますが、「微罪処分」とは犯罪の事実が軽微な場合、あえて検察へ送致することはせず、書類手続きのみで事件を終了する処分を指します。「微罪処分」の場合、前科は付きませんが、逮捕されたという前歴は残ります。

    引き続き捜査が必要と判断された場合は、捜査資料とともに身柄は検察官に引き渡されます。
    なお、逃亡や証拠隠滅のおそれがない場合は、勾留をされることもなく在宅事件の扱いになることもあります。この場合、捜査は継続しますが身柄は解放されます。

  2. (2)検察での取り調べと勾留

    検察官は24時間以内を期限に、引き続き取り調べを行います。
    しかし、ここまでの間に捜査が尽くされていないことも少なくありません。24時間後も引き続き、身柄拘束を続けて取り調べが必要と検察官が判断した場合は、裁判官に対して「勾留(こうりゅう)請求」を行います。
    請求が認められると、原則10日間、延長申請が認められた場合は最長で20日間にわたって勾留されます。

    検察官は、勾留期間内に捜査を進め、被疑者を起訴するか不起訴処分にするかの判断を下します。
    起訴されると、刑事裁判にかけられます。不起訴となれば、この時点で釈放されます。

  3. (3)起訴、裁判

    刑事裁判では、有罪、無罪が判断されます。しかし日本においては、起訴された事件の99%以上に有罪判決が下されると言われています。
    有罪判決が下された場合は、執行猶予が付いたとしても前科がつきます。

    なお、略式起訴であれば、多くが罰金刑だけで済み、身柄も解放されます。略式起訴とは、刑事裁判手続を簡略化したものです。ただし、前科が付くことに変わりはありません。

4、置き引きで逮捕された場合、弁護士に依頼するメリット

逮捕された後は、当番弁護士制度を利用すれば、無料で弁護士のサポートを受けることができます。ただし、一度しか利用はできず、継続したサポートは望めません。
一方、私選弁護士であれば、費用は発生しますが細やかな対応と継続したサポートが可能です。

  1. (1)取り調べ中にサポートが受けられる

    法律や取り調べについての知識が全くない状態で、取り調べを受けるのは大変な負担です。弁護士は、取り調べに同席することはできませんが、取り調べの前後に接見し、アドバイスをすることができます。
    弁護士は、人権を守るために適切なサポートを行うだけではなく、今後の見通しを説明し、取り調べでどのような内容を話すべきか、話すべきではないかなどの助言を行います。また、家族や職場・学校など外部との連絡を依頼することもできます。

  2. (2)示談交渉を依頼できる

    被害者がはっきりしている犯罪の場合、示談の成否がその後の処遇に大きな影響を与えます。
    示談とは、被害者との話し合いによって被害者に発生した損害を賠償することです。示談書に、「謝罪と賠償を受け入れる代わりに、罪を許し、罰を望まない」とする「宥恕(ゆうじょ)文言」を入れてもらうことを目指します。

    弁護士であれば、逮捕され身動きがとれない本人や家族に代わり、交渉をすることができます。第三者である弁護士が交渉したほうが、スムーズにことが運ぶことも多いものです。
    示談が成立すれば、不起訴の獲得も期待できます。

  3. (3)迅速な身柄解放につながることが期待できる

    勾留されると、身柄拘束が長期にわたることになります。そのため、勾留請求の判断がなされる逮捕後72時間以内に、どれだけ弁護活動ができるかが非常に重要となります。

    捜査機関に働きかけができるのは、弁護士だけです。
    万が一、勾留に至ったとしても、不起訴処分や略式起訴につながるよう、引き続き情状酌量の余地があると主張を続けることができます。

    適切な弁護活動があるかどうかで、最終的な処分が大きく変わる可能性と言えるでしょう。

5、家族にできること

置き引きで逮捕されてしまった場合、勾留が長期にわたると職場や学校に知られてしまう、前科が付いてしまうなどのリスクがあります。
今後の人生への影響を最小限にするには、勾留を回避すること、不起訴または略式起訴の処分を得ることが重要です。
そのためには、弁護士のサポートは必要不可欠と言えます。

6、まとめ

もしも、大切な家族が置き引きで逮捕されてしまったら、慌てるばかりで冷静ではいられないかもしれません。
すぐに助けたいと思うのは当然のことでしょう。逮捕されてしまった場合、速やかな対処がその後の処遇に大きく影響します。家族が逮捕されてしまったら、一刻も早く弁護士に相談することが大切です。
ベリーベスト法律事務所 神戸オフィスでは、刑事事件の経験豊富な弁護士が在籍しています。ご家族だけで悩まず、まずはご連絡ください。迅速にサポートします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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