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借り主がテナント料(家賃)を滞納! オーナーがとれる対処法と注意点

2021年03月16日
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  • 家賃滞納
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借り主がテナント料(家賃)を滞納! オーナーがとれる対処法と注意点

新型コロナウイルスの影響で売り上げが下がり、テナント料を支払えないという店舗や事務所が急増しているようです。テナントも大変ですが、オーナー側にとっても未回収の賃料がたまっていけば大変なことになります。

神戸市では令和2年に、中小企業等への家賃負担の軽減を目指し、独自の家主支援対策をとっていましたが、今後もテナントの苦しい状況は続く可能性があり、国や市からの支援に頼り切るわけにもいきません。家賃の滞納が続くテナントに対して、オーナーはどのような対応がとれるのでしょうか。

本コラムでは、テナント料(家賃)の滞納に対して、オーナーである貸主がとれる対応と、手続きの流れ、注意点についてベリーベスト法律事務所 神戸オフィスの弁護士が解説します。

1、新型コロナの影響で賃料の滞納は増加傾向に

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)とそれに伴う経済不況により、賃料の滞納は増加傾向にあります。公共財団法人 日本賃貸住宅管理協会が公開している令和2年4月~9月の市場データによると、管理業者189社のうち16.6%が、滞納者が増加したと回答し、家賃減額請求については、実に48.7%が増加したと回答しています。

社会情勢の問題とはいえ、オーナー側としては賃料が支払われないというのは大きな問題です。賃料の支払いが滞っている賃借人に対してどのような対応をすべきなのでしょうか。次項で詳しく解説します。

2、テナント料滞納時にオーナーができること

テナント料を滞納している賃借人に対して、オーナーがとりうる方法は主に2つ考えられます。
1つ目は入居を続けてもらい、引き続き家賃の支払いを求めていくこと、2つ目は、賃貸借契約を解除して退去してもらう方法です。

  1. (1)入居を続けてもらい家賃の支払いを求めていく

    家賃の滞納があっても、入居者である賃借人との間に信頼関係があり、退去を求めにくいケースもあるでしょう。このような場合は、早めに手紙や電話、メールなどの手段で家賃の支払いを催促します。それでも、支払いがない場合や返信がない場合は、内容証明郵便を使って賃料の督促状の送付を行います

    なお、賃借人から賃料の支払いを猶予してほしいという申し出があった場合は、いつまでにいくら支払うのか、書面で確約をとるようにしましょう。支払いが遅れているのに、家主側が放置していると、次第に未払い家賃が増えていき、回収が困難になっていきます。賃借人としても、家主が甘いと感じると、家賃の支払いを後回しにする可能性も考えられます。

    家賃の督促は、人間関係が深い相手になるほど心理的な負担も大きくなりますが、放置するのは得策とはいえません。督促をしにくいと感じる場合は、弁護士に代理人を依頼することも検討できます

  2. (2)賃貸借契約の解除を検討する

    家賃の滞納が続き、これ以上は待てないという場合は、強制的に退去してもらう手段を検討することになります。

    賃借人に退去を求める方法として考えられるのは、賃貸借契約の解除です。ただし、賃貸借契約を解除する際には、家主と賃借人との間に信頼関係の破たんがあるといえるか、という点が法的な争点になります。通常、一度や二度の家賃滞納では、信頼関係が破たんしたとまでは認められず、賃貸借契約の解除は認められない傾向にあります。

    そのため、家賃の滞納が長期にわたること、何度も家賃の支払い催促を行ってきたが、それでも誠意ある対応が得られない、といった信頼関係破たんがあることを客観的な証拠として残しておく必要があります。

3、滞納賃料を請求する流れ

家賃滞納が続く場合、どのようなケースであっても、まずは滞納している賃料を請求することが第一歩になります。たとえば、賃貸借契約書に「賃料の支払いを1回でも遅滞したときは、催告を要せず直ちに解除できる」という内容の条項(無催告解除特約といいます)があり、かつ賃借人の署名押印があったとしても、賃貸借契約を実際に解除するには催告が必要とされているので、注意が必要です。

では、滞納している家賃を請求する具体的な方法と注意点についてみていきましょう。

  1. (1)請求金額を確定させる

    家賃の滞納が長期にわたる場合や、賃借人が家賃の一部のみを支払っていたような場合、そもそもいくら家賃が未納になっているのかを計算するだけでも大変なときがあります。特に、賃貸物件を複数所有している場合や、テナント物件で光熱費も家賃と合わせて請求している場合は、計算自体が複雑で大きな負担になるケースもあるでしょう。

    しかし、未払い家賃を請求するには、家主であるオーナー側が正確に計算する必要があります。支払い記録を見ながら正しく計算して、請求金額を確定しましょう。

  2. (2)賃借人に対して支払金額を通知する

    滞納賃料等の金額が確定したら、賃借人に対して支払いを催告します。支払いを催告する方法としては、家を訪問して直接伝える、電話する、書面を郵送する、電子メールやLINEなどの会員制交流サイト(SNS)を使う等のいずれでも、法律上は有効とされています。実際、どのような方法を使っても、相手がすんなりと支払ってくれるのであれば問題はありません。

    ただし、注意しなければいけないのは、相手がなかなか支払わずに、最終的に訴訟に発展した場合です。訴訟になると、オーナー側が支払い催告をして賃借人がその連絡を受け取ったということを、オーナー側が証明しなければなりません。そのため、書面で連絡するほうが安全といえます。

    さらに、書面で通知する場合は普通郵便ではなく、内容証明郵便を配達証明付きで送ることをおすすめします。内容証明郵便であれば、送った書面の内容を証明することができ、配達証明サービスにより、いつ相手にその書面が届いたかを証明することができます。

    なお、どのような内容の催告を、いつ相手が受け取ったのかという二点は、とても重要な意味を持ちます支払い催告の書面には、滞納賃料等の金額や内容に加えて、いつまでに支払ってほしいのかという支払期限も記載しましょう

  3. (3)連帯保証人に対して滞納賃料等の支払いを催告する

    賃貸借契約では、賃借人の債務に対して連帯保証人をつけているケースが多いでしょう。その場合は、連帯保証人に未払いの賃料等を請求することが可能です。賃借人に対して、滞納賃料等の支払い催告をして期限までに支払いがない場合は、連帯保証人に対しても同様に支払い催告をしましょう。

  4. (4)支払督促・少額訴訟を提起する

    賃借人や保証人に滞納賃料等の支払い催告をしても期限内に支払いを確認できなければ、裁判所から文章で支払い督促をしてもらう「支払督促」制度を利用することを検討します。

    また、滞納総額が60万以下であれば、「少額訴訟」による手続きも検討できます。少額訴訟は1回の審理で結論が出るため、比較的短期間で終了することが期待できるでしょう。
    ただし、支払督促と少額訴訟の場合、支払いを求めることはできますが、立ち退きを求めることはできません。

  5. (5)通常訴訟を提起する

    (1)から(4)の方法での解決が難しい場合は、通常訴訟を提起することになります。通常訴訟であれば、滞納賃料支払いを求めるのはもちろんのこと、賃貸借契約解除が認められれば強制的に退去を求めることも可能です。

    なお、裁判手続きにおいては、オーナー側が賃貸人の家賃の滞納状況や、これまでの催促の証拠等を提出しなければなりません。

  6. (6)強制執行

    判決により滞納賃料の支払いが認められた場合、賃借人が素直に支払うケースもありますが、判決が出ても一向に支払わない場合や、賃借人が明け渡しを認める判決を無視して居座り続ける場合もあります。

    このような場合は最終手段として、強制執行により賃借人の財産(預金や給与、不動産など)を差し押さえ、その財産から滞納賃料等を回収することになります。また、賃借人が平和裏に明け渡しに応じなければ、強制的に鍵を開け、明け渡しを実行することも可能です。

4、家賃滞納がある場合にオーナーが注意するべき点

  1. (1)未払いがあってもすぐには契約を解除できない

    賃料滞納が続いており、賃貸借契約の解除を検討する場合には、前述の通り一度や二度の賃料滞納では、契約解除は認められません。一般的には、家賃滞納が少なくとも3か月以上続くことが必要とされています。ただし、この数字はあくまで目安に過ぎず、契約を解除できるのは、オーナーと貸借人の間の信頼関係の破たんがあった場合が原則です。

  2. (2)強制執行可能になるまで強制的に退去させることはできない

    未払い賃料がたまっているからといって、家主が勝手に鍵を付け替えたり、出入りできないようにしたりすることは許されません。あくまで、賃貸借契約を有効に解除して、相手に明渡義務があることが認められなければなりません。

    賃貸借契約が有効であれば、賃借人が賃料を滞納していたとしても、賃借人には物件を利用する権利があります。オーナーによる一方的な鍵の付け替えや事実上の追い出し行為は、賃借人の権利を侵害する違法な行為になるので、注意が必要です

  3. (3)賃借人が債務整理をした場合

    貸借人がいよいよ支払い困難となり、債務整理の手段に出る場合もあります。債務整理には、任意整理・自己破産・個人再生などがありますが、賃借人がこれらの手段をとった場合は、未払い家賃の全額回収は難しくなる可能性が高くなります。

    そのため、滞納が続いた場合は早めに督促などを行い、未払い金額が多額になる前にしっかりと回収することが大切です。

5、まとめ

家賃滞納がある場合、入居を続けてもらうにしても、退去してもらうにしても、具体的な内容を記載した書面を用いて、滞納賃料の請求を行うことがまずは重要です。しかし、いくら請求しても相手が応じてくれなければ話は進みません。未払い賃料は毎月増えていくので、放置しておくとお互いにとってトラブルは大きくなる一方です。また、相手が債務整理手続きに入ってしまえば、回収できるはずの家賃が回収できなくなる可能性もあります。
そのため、賃料滞納や明け渡し問題でお困りのオーナーは、できるだけ早い段階で適切な対応をすることが大切になります。

家賃滞納にお困りの場合は、ベリーベスト法律事務所 神戸オフィスの弁護士にご相談ください。ベリーベスト法律事務所 神戸オフィスでは、賃料滞納の場合にオーナーができることについて、的確なアドバイスを行うことができます。また、代理人となり賃借人と交渉することや、裁判手続きを行うことも可能です。
トラブルが大きくなる前に、ぜひ一度当事務所へご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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