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相続を放棄する方法はある? 手順と手続き詳細を弁護士が解説

2019年05月07日
  • 相続放棄・限定承認
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相続を放棄する方法はある? 手順と手続き詳細を弁護士が解説

兵庫県姫路市は、平成30年5月21日、相続人が相続放棄して朽ち果てた建物を公費で強制撤去を行うと発表しました。該当の建物のように、相続する価値がない財産しかない場合や負債がある場合は、相続を放棄するほうがよいケースも少なくありません。

遺産相続では、財産価値のある資産も借金などの負債も原則相続することになります。そのためか、遺された財産はすべて相続しなければならないと考える方が少なくありません。しかし、相続放棄の手続きを行うことで、負債を背負わないようにすることができるのです。

そこで、ベリーベスト法律事務所 神戸オフィスの弁護士が、相続放棄の概要や手続きについてわかりやすく解説します。

1、相続が発生したらまずやるべきこととは? 手順をわかりやすく解説

まずは、相続が発生した場合に必要な手続きや作業を知っておきましょう。その前に、相続の手続きの際に出てくる専門用語についても簡単に説明します。

  • 被相続人……財産や負債を遺して亡くなった方
  • 相続人……相続する権利を持っている方々
  • 法定相続人……民法によって相続が認められている方々


  1. (1)遺言を検認する

    被相続人が亡くなって遺言がある場合、その遺言がどの方式で作成されているのかを確認しましょう。「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」の場合は、家族が勝手に遺言を開封してはならないとされています。

    これらの方式で作成された遺言書だった場合は、家庭裁判所で「検認」という手続きによって、開封し中身を確認しなければなりません。遺言を書き換えたり、破ったりするといったトラブルを防止するために「検認すること」が求められています。ただし、家庭裁判所が検認したからといって、遺言が有効であると証明されたわけではない点に注意が必要です。

    なお、「公正証書遺言」と呼ばれる、公正役場で作成し公正役場に保管されていた遺言であれば、検認せずに開封することができます。

  2. (2)法定相続人の確認

    遺言の有無とその内容を確認したら、次は、法定相続人のすべてを確認しなければなりません。法定相続人を調べるためには、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍のすべてを取得することになります。

    被相続人の子ども、兄弟姉妹、養子の有無を確認します。戸籍は戸籍謄本を役所で取得して、生まれてから死ぬまでに本籍を移した場所すべての戸籍謄本・除籍謄本を取り寄せることになります。

  3. (3)相続財産を特定

    さらに、被相続人が所有している財産・負債をすべて確認しなければなりません。貯金や有価証券、土地、建物、借金、車や家具など、被相続人が所有しているものすべてを特定して、相続財産を把握するのです。

    預貯金は、銀行の通帳を確認すればわかりますし、不動産は自治体から届いた固定資産税の納税通知書などを確認すれば、把握できるでしょう。借金は、銀行口座からの引き落としや、郵便物などを確認するとある程度把握できるはずです。

    相続財産は、全員で共有する必要があります。リストにしておくとよいでしょう。

  4. (4)遺産分割協議

    相続人がそろい、相続財産を特定したら、分割するための話し合いを行います。これを「遺産分割協議」と呼びます。たとえ遺言があっても、遺言をもとに法定相続人全員で誰がどれだけ財産を相続するかを話し合うことはできます。遺言の内容から分割の割合などを変更したいときは、全員が合意しなければなりません。

    話し合いで全員が合意すれば、遺産分割協議書を作成します。話し合いで全員が合意しない場合は、弁護士に依頼して協議する、または家庭裁判所での調停という手続きで分割方法や割合を決めることになります。

  5. (5)相続を承認して遺産分割する

    相続の割合等が決まったら、遺産相続を承認して財産を分割します。全員が、承認しなければなりませんし、法定相続人が欠けている場合は、無効になります。

2、財産を相続したくないときにできる「相続放棄」って?

遺された財産のすべてが、相続人たちに利益をもたらすものではありません。そこで、相続をしない「相続放棄」という手続きをすることで、相続する権利を放棄することができます。

相続放棄の手続きをすれば、借金や不要な不動産などを相続しなくて済みます。ただし、借金などの不要な財産だけを相続放棄して、欲しい財産だけ相続することはできません。相続放棄をすれば、すべての相続財産を相続する権利を失ってしまいます。

一般的には、遺された財産よりも借金のほうが多い場合や、現金等の財産が少なく維持に手間やお金がかかる山林や荒れ果てた家屋などが遺された場合に、相続放棄の手続きを取るケースが多いものです。

相続放棄は、法定相続人全員でするのではなく、各法定相続人がそれぞれの意思で行うことができます。したがって、他の相続人と相談することなく、自分の意思で決定することができますが、借金があることはほかの相続人にもしっかり知らせておきましょう。あなたが負債を背負う事態を回避できても、ほかの親族が背負うことになれば問題は先送りになるだけとなる可能性があります。全員で相続放棄すれば、そのようなトラブルをあらかじめ避けることができるかもしれません。

相続放棄の手続きは「相続の開始を知ってから3ヶ月」と定められています(民法915条1項)。したがって、原則として、被相続人が死亡したことを知ってから3ヶ月以内に相続放棄するかどうかを決定して手続きを完了させなければなりません。

相続放棄で、不利益を被らないようにするためには、相続財産のすべてを把握して、相続放棄することが本当にプラスになるかどうかを見極める必要があります。

3、相続放棄のために必要な手続きと書類とは

相続放棄は、自分で「相続しません」と宣言するだけは認められません。決められた期限内に家庭裁判所に申し立てて認められることで成立します。

相続放棄のためには、下記の書類等を一式用意し、家庭裁判所に提出します。

  • 相続放棄申述書
  • 相続放棄申述書に貼る収入印紙800円分
  • 被相続人の住民票除票又は戸籍の附票
  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 相続放棄する方の戸籍謄本


相続放棄申込書には、相続する方の名前、住所、生年月日等を書く欄があります。さらに、被相続人の本籍地や最後に住んでいた住所、死亡当時の職業や死亡した日時を記入します。また、相続財産の概略として、不動産の面積や現金預貯金の額、有価証券等の時価額を記入します。

相続放棄の理由については、詳細を書く必要はなく、相続放棄申述書に印刷されている「放棄の理由」から該当するものを選ぶだけなので安心してください。

これらの書類を整えて家庭裁判所に提出すると、家庭裁判所から相続放棄を申し出た人あてに「照会書」が送付されます。照会書には、死亡したことを知った日時や相続放棄の理由や、遺産を使っていないか?などが質問されますので、正しく記入して返送しましょう。

相続放棄が裁判所に正式に受理されれば、「相続放棄受理通知書」が送られてきます。ただし、相続放棄受理通知書は相続放棄の効力が認められることを確定するものではなく、後に訴訟等で争うことができます。相続放棄では審判書が作成されないため、対外的な証明が必要な場合には、「相続放棄受理証明書」を交付してもらうよう、申請しておくとよいでしょう。

4、相続放棄は弁護士に依頼するのがベター

前述のとおり、相続放棄の手続きは、原則として3ヶ月というタイムリミットがあり、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所へ申述する必要があります。3ヶ月以内に手続きが行えなければ、すべての相続財産を承継することになるでしょう。

相続放棄の手続きには、戸籍等の書類の取り寄せや財産の特定が困難を伴います。特に、被相続人が急に死亡した場合、財産を特定するだけでも時間がかかるでしょう。さらには被相続人との関係が子どもや親以外の場合は、生まれてから死ぬまでのすべての戸籍謄本を取得しなければならず、戸籍謄本の取得だけで数ヶ月を要してしまうことも少なくありません。

また、相続によって得た財産の限度においてのみ、被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保したいと考えるときは「限定承認」と呼ばれる手続きが有効です。しかし、自分のケースではどちらがよいか判断することは難しいものです。したがって、相続放棄を検討するときは、弁護士に相談したほうがよいでしょう。いずれの場合でも、必ず期限内に完了してもらえます。

被相続人が死亡した直後は、いつも以上に気落ちしている間に、お通夜にお葬式、初七日など、すべきことが続きますし、訪問客も増えるものです。事務作業をする時間も気力もなかなか確保できないのではないでしょうか。

弁護士に依頼すれば、相続放棄の手続きに一切手を煩わされることはありません。早い段階で依頼しておくことをおすすめします。

5、まとめ

相続放棄の手続きは、ひとつひとつを見てみると、それほど難しくないように感じるかもしれません。しかし、相続を知った日、つまり被相続人が亡くなった日から3ヶ月という時間的制約があります。近しい人が亡くなった直後であるからこそ、自分で手続きするのは厳しいと感じることでしょう。

期限が迫ってから慌てないように、相続放棄を検討した段階で弁護士に相談し、「相続放棄することがベストなのか」という点も含めてアドバイスしてもらうことをおすすめします。

ベリーベスト法律事務所 神戸オフィスには相続放棄手続きの経験が豊富な弁護士が親身になってアドバイスいたします。適切な相続を行いたいときや、相続財産に負債が多いときは、まずは相談してください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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