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名義預金を巡って相続トラブルに! 名義預金も遺産分割の対象になる?

2020年09月17日
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名義預金を巡って相続トラブルに! 名義預金も遺産分割の対象になる?

子どもや孫などの名義で預金口座を作成して積み立てをしていたことが、死後にわかった……というケースは少なくないものでしょう。しかし、こういった預金は「名義預金」と主張される可能性があり、遺産分割で争いの種になってしまうことがあります。
遺産分割は、相続人間の協議がまとまらなければ、家庭裁判所の調停や審判などで解決を図ります。実際に、裁判所の司法統計によると、平成30年中に神戸家庭裁判所で取り扱われた遺産分割事件は544件にのぼります。

故人が思いを込めて残してくれた遺産を争いの種にしないためには、相続に関して正しい知識を持っておくことが大切です。

本コラムでは、名義預金を巡る遺産分割トラブルの対処法について、ベリーベスト法律事務所 神戸オフィスの弁護士が解説します。

1、名義預金は遺産分割の対象になる?

  1. (1)名義預金とは

    本コラムでは、名義預金とは、相続の場面において、相続財産と評価される預金ではあるものの、口座名義が被相続人(故人)と異なる預金を指すことといたします。
    具体的には、次のようなケースの預金については、名義預金であるとの主張を受け、遺産分割の対象とされる可能性があります。

    • 被相続人の名義の預金ではないが預金の資金を捻出していたのが被相続人であるような場合の預金
    • 被相続人名義の預金ではなく、預金の名義人とされた方が被相続人から贈与を受けたものでもない場合の預金
    • 預金の管理を被相続人が行っていた場合の預金
  2. (2)名義預金は誰のもの? 遺産分割の対象になる?

    名義預金と判断されると、もちろん、被相続人の財産に含まれることになるので遺産分割の対象になります。
    遺産分割の対象になれば、基本的に相続人全員の話し合いで名義預金も含めた遺産の分配方法を決めなければいけません。

  3. (3)名義預金の問題点

    名義預金が、特定の相続人を口座名義人とする預金であった場合、口座名義人は自分のものとして払い戻しを受けたいものでしょう。また、それが被相続人の意思にもかなうといえます。しかし、現実的には被相続人の財産の一部として扱われることになります。

    また、名義預金と認定されてしまえば、遺産分割の対象になるだけでなく相続税の課税対象にもなります。

2、名義預金の判断基準とは?

では名義預金はどのような基準で判断され、どのようなタイミングでトラブルが発生する可能性があるのでしょうか。

  1. (1)名義預金だと判断される基準

    名義預金に該当するかどうかについての判断は、裁判に発展することも少なくありません。

    被相続人以外を名義とする財産が相続財産に含まれるかについては、以下のような点を総合的に考慮して判断するのが相当だとした裁判例があります(東京高裁 平成21年4月16日【原審 東京地判平成20年10月17日】)

    • 財産または購入原資の出捐(しゅつえん)者
    • 財産の管理および運用の状況
    • 財産から生じる利益の帰属者(有価証券である場合)
    • 被相続人と財産の名義人ならびに財産を管理・運用する者との関係
    • 名義人が名義を有することになった経緯 など

    これらを基準としつつ、それぞれのケースの事情を総合的に考慮した上で、名義預金かどうかを判断されることになりますが、次のようなケースは名義預金と判断されやすいと考えられます。

    • 口座名義人以外の者がお金を預金していた
    • 預金通帳や届出印やキャッシュカードを口座名義人が持っていない
    • 口座名義人が自ら口座を開設していない など
  2. (2)名義預金トラブルが発生するタイミング

    名義預金トラブルが発生するタイミングとしては、相続開始前や相続開始後などケース・バイ・ケースでしょう。しかし、遺産分割時や相続税申告後にトラブルになることが多いと言えます。

    遺産分割時におけるトラブルは、他の相続人が名義預金の存在を知らなかったことによって生じる可能性があります。

    他方、相続税申告後にトラブルが発生するのは、税務署による相続税調査で名義預金が発覚したケースです。この時点で名義預金が発覚すると、名義預金に対して相続税が新たに課されることになります。また、申告時の相続財産に含めなかったことによって、加算税や延滞税といったペナルティーを課される可能性もあるため注意が必要です。

3、名義預金トラブルの解決方法

「一部の相続人が名義預金を勝手に払い戻してしまった」
「名義預金ではないのに、他の相続人から相続財産として遺産分割対象になると主張されてしまった」

このようなトラブルを解決する手段はあるのでしょうか。

  1. (1)遺産確認訴訟を提起する

    遺産分割をする前に、預金が遺産に含まれるかどうかが問題になったときには「遺産確認訴訟」を提起して解決を図ることができます。遺産確認訴訟を提起することによって、遺産の範囲を確定させることができます。
    ただし、最終判断は裁判所が行います。希望の結果にならない可能性があるという点は、留意すべきでしょう。

  2. (2)家庭裁判所の遺産分割調停・審判を利用する

    遺産分割は基本的に相続人全員の協議で行うので、協議の中で解決できれば問題ありません。しかし協議がうまくいかないときには、家庭裁判所の調停・審判手続きを利用して解決を図ることになります。
    なお、調停手続きは、遺産分割調停事件として申し立てを行います。調停では調停委員を交えて当事者同士が話し合い、合意を目指すことになります。

    調停での話し合いがまとまらなければ調停不成立となり、自動的に審判手続きが開始されます。審判では、裁判官が遺産における一切の事情を考慮して審判を行います。

  3. (3)弁護士に相談する

    遺産分割時に名義預金を巡るトラブルが生じたときには、弁護士に相談して解決を図ることも一案でしょう。

    弁護士は、ご相談者様の代理人として交渉を行うことができます。遺産問題は、親族間でのトラブルのため、話しがこじれるケースも少なくありません。トラブルが大きくなる前に、専門家である弁護士が話し合いに介入することで、話し合いがスムーズに進むことが期待できます。

    また弁護士は、名義預金に該当する可能性があるかについて助言を行えるほか、遺産分割協議書の作成や相続に際し法律上注意すべき点などについてもサポートや助言をすることが可能です。

4、名義預金との認定を避けるためにできることはある?

先述したように、名義預金と判断されるかについてはケース・バイ・ケースと言えます。しかし、名義預金と認定されることを回避する手段もあります。

  1. (1)贈与を立証できるようにしておく

    被相続人から口座名義人への贈与であれば、名義預金とは扱われません。
    贈与と認められるためには、被相続人から口座名義人へ贈与が行われたことを立証できるようにしておくことがポイントです。
    たとえば贈与のたびに贈与契約書を作成しておいたり、贈与税対策のために暦年贈与を行っている方は、敢えて非課税枠を少し超える贈与を行うようにして贈与税を納めておいたりするといった対応をすることが大切です。

    なお、贈与であることが立証できれば、相続税の課税対象になることもありません。

  2. (2)預金通帳や印鑑は口座名義人が管理する

    預金を支配・管理しているのは誰かということを基準に、実質的に預金の帰属先を判断する考え方があります。そのため、預金通帳や印鑑は口座名義人が管理するようにしておくことも有効です。
    口座名義人の浪費癖を心配するなどの事情があり、通帳や印鑑を渡していないケースも少なくありません。しかしせっかくの思いを無駄にしないためにも、口座名義人が通帳や印鑑を管理しておくべきと言えるでしょう。

  3. (3)小括

    これらの対策をとっていれば、名義預金に関連した問題が生じる心配はほとんどありません。しかし、これらは被相続人が亡くなってしまった後に、対処することはできません。名義預金が元でトラブルに遺産トラブルに発展しそうな場合は、まずは弁護士などの専門家へ相談し、対策を講じることが得策でしょう。

5、まとめ

本コラムでは、名義預金に関するトラブルの対処法について解説しました。
名義預金については、本来であれば生前から対策をしておくことが望ましいといえます。しかし、被相続人の死後、預金の存在に気が付くこともあるでしょう。トラブルが発生してしまった場合は、早期に弁護士に相談するなどして、解決を図ることが重要です。

ベリーベスト法律事務所 神戸オフィスの弁護士は、名義預金トラブルを始め、相続にまつわるトラブルに悩む方を全力でサポートします。また、ベリーベスト法律事務所は税理士も在籍しているため、相続問題についてトータルでサポートすることが可能です。
トラブルが大きくなる前に、ぜひご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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